【徹底比較】OfficeスクリプトとVBAの違いとは?Excel自動化の新旧ツールを解説

Excelを使っていると「同じ作業を何度も繰り返すのは大変だな」と感じることは多いですよね
そんなときに役立つのが自動化ツールです。
長年Excelユーザーを支えてきたのはVBA(Visual Basic for Applications)ですが、
近年はクラウド時代に対応したOfficeスクリプトも登場しました。
どちらを使えばよいのか迷っている方も多いはず。
どうも、みなさん初めましての方ははじめまして、
しんさんわーくすと申します。
私は普段、仕事でVBAのツールを作ることが多いのですが、
最近はOfficeスクリプトも便利でよく使っています。
そんな私ですが、Excel業務を効率化していくためには、
これからは、VBAとOfficeスクリプトどっちを学んでいくべきか(or使っていくべきか)
ということをふと考えたことがありました。
今回の記事では、両者の特徴と違いを分かりやすく解説します。
VBAとは?
VBAは、ExcelやWordなどに組み込まれている自動化用のプログラミング言語です。
1990年代から利用されており、多くの企業システムや業務効率化の現場で活躍してきました。
私がいる現場でも、VBAを使った業務ツール・システムはまだまだ現役で使われています。
特徴
- オフライン環境でも動作可能
- Windows版のOfficeで強力に動作(Mac版は制限あり)
- 豊富な参考書・ネット記事があり学習コストが低い
- 古いシステム資産(マクロ)との互換性が高い
VBAは、
ビジネス用のPCにはほぼ確実に入っていると言っても過言ではない、Microsoft Officeがあれば
使うことができ、環境構築のハードルが低いです。
また、参考書やネット記事が本当に豊富です。
分からないことは調べれば大抵日本語の情報が出てきます。
一方で、クラウドやWebとの連携が弱いことや、セキュリティ制限が強化されている点が課題です。
Officeスクリプトとは?
Officeスクリプトは、Microsoft 365(特にExcel Online)向けに提供されている新しい自動化ツールです。
VBAと違い、JavaScriptベースのTypeScript言語を使用します。
Officeスクリプトの特徴
- Excel for Web(ブラウザ版)で動作
- デスクトップ版Office(365) でも利用可能
- Windows/Mac問わず利用可能
- クラウド環境に保存されるので共有が容易
- Power Automateと連携しやすく、ワークフロー自動化が可能
特徴的なのは、やはりTypescriptを使用するところでしょう。
上述したように、TypescriptはJavascriptをベースにした言語です。
JavaScriptは現在のWebサイトのほとんどに使われており、
ざっくり言うと私たちが見ているWEBサイトの表示する側(フロントと言われます)に動きを付けることができるプログラミング言語です。
かなり、便利なプログラミング言語なので、WEBサイトの裏側(バックエンド)で使われたりすることもあります。
そんな便利なJavaScriptの言語的な問題点もあり、それに対応するようにTypescriptがMicrosoftによって開発されました。
詳しくは長くなってしまうので、興味がある方は下記のサイトをご覧ください。
https://typescriptbook.jp/overview/before-typescript
で、このTypescriptはかなり人気のある言語です。
なので、OfficeスクリプトでTypescriptの書き方に慣れるとスムーズにJavaScriptやTypescriptに移行できるというのは、非常に大きなメリットです。
このブログを読んでいるのは、ノンプログラマの方が多いと思いますが、新しいキャリアの選択肢を増やすことができるかもしれません
Officeスクリプトのデメリットとしては、まだ歴史が浅く、機能はVBAに比べると制限があるのが現状です。
VBAとOfficeスクリプトの違いを比較
項目 | VBA | Officeスクリプト |
---|---|---|
動作環境 | Excel(デスクトップ版、主にWindows) | Excel Online(ブラウザ)、Microsoft 365 |
使用言語 | VBA(Visual Basic系) | TypeScript(JavaScriptベース) |
接続要件 | オフラインでも利用可能 | 基本的にオンライン前提 |
機能面 | きめ細かい制御、膨大な既存資産 | Web・クラウド連携が強いが機能は限定的 |
共有性 | ファイルごとに配布、環境依存あり | クラウド保存で共有しやすい |
将来性 | レガシー技術だがまだ現役 | Microsoftが推進する新世代の自動化ツール |
この表を見ると、VBAはローカル重視、Officeスクリプトはクラウド重視
というような違いが見えてきそうですね
どちらを選ぶべき?
企業利用の場合
一般的な企業の業務ならまだまだVBAが使われることが多いのではないでしょうか。
基本的には、既存のマクロ資産をみなさん利用されますからね。
なので、プログラミングを学んで社内ツールを作りたい!
という人はまずはVBAから学習した方が即戦力になれるのではないかなと
一方、クラウド利用が進む企業やテレワーク環境、
自分のちょっとした業務を効率化したい場面ではOfficeスクリプトが有効です。
個人利用の場合
オフラインでExcelを使うことが多いならVBA。
Macやタブレットでも使いたい、
Googleスプレッドシートのようにクラウドで作業したいならOfficeスクリプトがおすすめです。
プログラミング経験による違い
プログラミング未経験者にはVBAの方が理解しやすいかと思います。
Officeスクリプトよりも情報が多いですからね
JavaScript経験者ならOfficeスクリプトにすぐ馴染めるでしょう。
併用という選択肢
これは、ちょっと上級者向けです。
実は「VBAかOfficeスクリプトか」どちらか一方に絞る必要はありません。
- 既存のVBA資産はそのまま活用
- 新規のクラウド向け業務はOfficeスクリプトで作成
- Power AutomateとOfficeスクリプトを組み合わせてワークフロー自動化
こうしたハイブリッド運用をすることで、移行の負担を減らしつつ、将来に備えられます。
とはいえ、全くの初心者の場合はVBA、Officeスクリプト云々の前にまずプログラミングそのものが難しいと感じるかと思います。
一般的には、VBAから始める方が入りやすいとは思いますが、どちらか肌に合いそうな方から使い始めるのが良いのではないでしょうか。
まとめ
- VBAはオフライン利用に強く、既存資産やローカル作業に向く
- Officeスクリプトはクラウド利用に適し、今後のMicrosoft推奨路線
- 両者は競合というより、用途に応じて使い分けるのが賢い選択
Excel自動化を始めたい方は、まず自分の利用環境(オフライン中心か、クラウド中心か)を見極めましょう。
そのうえで必要に応じてVBAとOfficeスクリプトを使い分ければ、業務効率化を最大化できます。